電子書籍は本当に普及していないのか
日本国内で発行されている電子書籍作品が、2016年にも100万点を突破する見通しだそうです。
電子書籍市場が活発になってきているのは、嬉しい限りです。しかし、次々と新しい作品が世に出るなかで、利用者は増加しているのでしょうか?
電子書籍って散々批判されてたけど結局大普及したよな : コピペ情報局
こちらの反応を見る限り「言うほど流行っていないだろう」という意見が非常に多いですね。
私は、以前に海外の反応から見る電子書籍で述べたように、電子コミック分野では充分に普及しているように感じています。
わざわざ画面を覗き込んで観察しているわけではありませんが、実際に電車内でスマホで漫画を読んでいる人は、毎日のように見かけるのです。
ところが、活字となると紙の本を読んでいるサラリーマンばかりです。しかし、見かけないからといって、普及していないというのは早計ではないでしょうか。
実際の利用率
こちらは総務省が発表した、平成26年度版の情報通信白書です。
注目していただきたいのは、スマートフォン・タブレット端末の普及率と電子書籍の利用率です。
スマートフォンの保有率は50%を越え、タブレット端末の保有率も17%に差し掛かっています。スマートフォンだけに限定しても二人に一人が利用していることから、端末自体は既に充分普及しているといえるでしょう。
肝心の電子書籍の利用率を見てみましょう。
全体で「利用している」と答えた方の合計が約18%、これに対して「利用していないし、今後利用する予定もない」と答えた方が59%です。
あれれー?
これはちょっと、普及しているとは言いづらい状況ですね。特にスマートフォンを保有している方の利用目的は、インターネット・SNS・ゲーム・動画視聴などが主流で、電子書籍の利用率が低いのが現実です。やはり、画面の小ささがネックでしょうか。
将来的に普及するのか
一方で、希望を見いだせそうなデータもあります。スマートフォンでの電子書籍利用率が低いものの、タブレット端末では電子書籍の利用率が46%にも達しています。
また、電子書籍を「利用していないが、今後利用したい」と答えた方が15%存在しています。
もし、この人達が実際に電子書籍を利用した場合、三人に一人は電子書籍を利用していることになります。そうなったら、電子書籍は立派に普及しているといえます。
鍵となるのは、電子書籍利用率が高いのに保有率が低い「タブレット端末の普及」と、まだまだ弱い「活字分野での魅力的な作品」の増加ではないでしょうか。