ニッチブックス西山の独り言

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パブリックドメインという共有財産

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青空文庫では、日本国内の作者の死後50年が経過し著作権が切れた作品や、作者が誰でも自由に扱うことを認めた、いわゆるパブリックドメインが公開されています。収録されている作品は、古典や文学といった名作ばかりです。

こういった形の「インターネット図書館」とでも呼ぶべき電子アーカイブは、他に類を見ないものです。

また、青空文庫内の電子書籍を検索・ダウンロード可能な電子書籍リーダー・アプリも今では珍しくないため、多くの方が一度は利用した経験があるのではないでしょうか。

ところが、そんな青空文庫が今苦しい状況に陥っています。

青空文庫が抱える問題

青空文庫は広告と寄付によって運営されており、これまでも校正者不足」という問題を抱えていました。

作品を登録する「入力者」と、校正を担当する「校正者」は別々のボランティアです。そして校正には専門的な技術が必要なため、次々と登録される作品に校正が追いついていないというのが現実です。

私は校正技能検定の資格を取ったことがありますが、校正とはただ単に誤字脱字を直せばいいという仕事ではないため、誰にでもできることではないと思います。

そんな中、新たな問題が浮かび上がってきました。

こちらは、先日のニュースです。

1997年から運営がはじまった青空文庫は、2015年現在「サーバの老朽化」という問題に直面しています。しかも、エンジニアが不在というのですから驚きです。

校正者不足に関しては、青空文庫が始まった当初から言われてきましたが、サーバの問題に関しても、避けては通れなかったように思えます。

 

続・パブリックドメインという共有財産へ続きます。

 

青空文庫で社会学―「孤独な心」をめぐる15章

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