実際にEPUB3で電子書籍に音声や動画をつけてみた
ここ数日、電子書籍に音声や動画を埋め込むために試行錯誤しています。その結果、正常に表示されなかったり、頻発するエラーに苦しむことになりました。
そこで、今回の作業で気付いたことを書いていきます。
環境に依存するところが大きい
「試しに電子書籍に動画をつけてみよう」と思い立ちましたが、マルチメディアを埋め込んだEPUBを製作すること自体は、そこまで難しいことではありませんでした。
HTML5を使いますが、例えば音声は以下のようにタグを記述します。
<audio controls="true" src="○○○.mp3" ></audio>
しかし、OSやリーダーなど、読み手の環境に依存する部分が大きく、全ての環境で動作確認することは出来ませんでした。
はっきり言うと、まともに動作したのはiBooksだけでした。
Amazon Kindle パブリッシング・ガイドラインによると、HTML5タグを利用することによって、動画や音声の埋め込みが可能であるとされています。
しかし、KindlePreviwerなどでチェックしたところ何も表示されません。勿論EPUBを作成する際に、メタデータを書き忘れたという初歩的なミスではありません。
動作が確認できたリーダー
マルチメディアを埋め込んだEPUB3を観覧するのに適したリーダーはこちらです。
- iOS - iBooks
- Android - Himawari Reader
- PC - Readium
iBooksについては後述します。
Himawari Readerは、幾つかあるAndroidのEPUBリーダーの一つです。Android端末が手元にないため、メンバーにテストしてもらいました。その結果、表示上は問題がありませんでしたが、環境によっては動作しないこともありました。
Readiumは、ウェブブラウザ「GoogleChrome」のアプリです。こちらは動画・音声の再生に対応と記載されている通り、動作を確認しました。
動画や音声を活用したいならiBooksで!
端末ごとに動作確認が出来たリーダーを紹介しましたが、重要なのはiBooksはもともと利用者が多く一般的だということです。特に、iOS8からはiBooksがプリインストールされています。わざわざ新しくアプリを落とす必要がある人が少ないのです。
電子書籍リーダー・アプリ自体は乱立しているものの、マルチメディアに対応しており、広く使われているのはiBooksだけといっても過言ではありません。
売り手の目線からしても、iBooksで読むことを想定したほうが良さそうです。そもそもKDPでは、動画や音声を埋め込んだ電子書籍を販売できないという話も出てきました。(電子書籍に埋め込まれた動画をiBooksで検証してみる - 「epub.works」)
先日、電子書籍ならではの魅力って?で幾つか動画を活用した本を紹介しましたが、よく見ると、確かにどれもiBookストアで販売されていますね。
将来的に多くの電子書籍リーダーが、マルチメディアに対応し、Kindleストアでの取り扱いもできるようになることを期待せずにいられません。
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