ニッチブックス西山の独り言

電子書籍販売サークル ニッチブックスの西山の独り言ブログ

「欲しい」という思いは「生活の領域」から生まれる

物を売ったりコンテンツを作ったりする際に、最初に考えなければいけないことは「需要があるかどうか」だと思います。

つまり「欲しい」と思う人がいるかどうかです。誰も欲しがらない物を作っても、仕方ありません。

では「欲しい」という思いは、一体どこから来るのでしょうか。

いま私が欲しいもの

例えば、いま私が「欲しい」と思っている物は、上手に文章を書くための技術が学べる本です。これは、私が実際にこのブログを書き始め二週間ほど継続した結果、文章力の不足を実感したからです。文章を書くことが「生活の領域」の一部になりはじめ、より良い文章を書くための技術があれば、これからの生活の役に立つのではないかと思ったわけです。

こうして考えてみると「欲しい」という思いは、概ね「生活の領域」から生まれているのではないでしょうか。

必要だから欲しいもの

「生活の領域」の極限ともいえるものが、衣食住に関わる生活必需品です。美味しい食事・快適な衣服・雨露を凌げる住居、どれも人が生活していく中で不可欠です。他にも洗濯のための洗剤や、トイレットペーパーなどの衛生用品も含まれます。

これらは生活に必要だから仕方なく購入しているのであって、特別「欲しい」と感じたことがないという方もいるかもしれません。

しかし、実際には必要だから「欲しい」と皆が思っているのです。

1973年、中東戦争に端を発したオイルショックにより、日本ではあの「トイレットペーパー騒動」が起こりました。原油価格とは直接の関係が無いにも関わらず「紙がなくなる」という噂が流れ、パニックになった人々は、全国各地でトイレットペーパーや洗剤を買占めました。

彼らを駆り立てたのは、もし本当に紙がなくなっては困るという不安心理です。しかし、普段は必要だから仕方なく購入している物であっても、ひとたびなくなるかもしれないという状況に陥ると、必要だから「欲しい」と思うものなのでしょう。普段は安定した供給によって「欲しい」と思っていることを意識していないわけです。

お菓子とソシャゲの関係

このように「生活の領域」に深く関係しているものほど、人は「欲しい」と感じるものです。しかし、生活必需品より重要度が低いにも関わらず、多くの需要がある商品があります。それは嗜好品です。

コーヒー・茶・菓子のような食品や飲料をはじめ、酒や煙草――或いは、強烈な依存性のある「商業娯楽」まで。これらは、無くても生きていくことは可能ですが、嗜む人にとっては心理的に大きく作用し、日常的・習慣的に摂取することになります。それが本人の意思によるものか、依存性により強いられているのかは別として。

そして、嗜好品を摂取することによる精神的充足を得るために、彼らはお金に糸目をつけません。

コンビニエンスストアプライベートブランドが近年成功を収めているのは、単純な安売りではなく、少し値段は張っても「価値がある」ことを売りにした商品を展開しているからです。

例えば、ローソンのプレミアムロールケーキとか、美味しいですよね。「毎日の食費を切り詰めているのだから、お菓子ぐらいは贅沢したい!」という女性も少なくないはずです。彼女たちの不満を解消したことが、ヒットの理由だといわれています。

そして、精神的充足という意味では、いわゆるソーシャルゲームのガチャについても同じことがいえます。炎上した某お花のゲームで話題になったように、形の無いデータに、人々はこぞって湯水のようにお金を使います。射幸心を煽られたからです。射幸心とは、幸運による利益を得たいということです。これは「精神的充足を得たいからじゃぶじゃぶ課金してしまう」と言い換えることもできます。

彼らはこのような炎上騒動にも動じずに、ガチャを回し続けるでしょう。ソシャゲは生命の維持に関係ありませんが、彼らにとって生活の一部だからです。

最後に

お菓子のようなプチ贅沢や、ガチャのような依存性のある商業娯楽を例に出しましたが、その是非を問いたいわけではありません。私もソシャゲのガチャの結果に一喜一憂しています。

私が言いたいのは、これら嗜好品が彼らにとって「生活の領域」の一部になっているということです。自分の生活に関係のあるものだから「欲しい」と思うのです。

ニッチブックスの電子書籍製作の活動にもいえますが、コンテンツを作る際には、誰かの生活に必要か・誰かの生活の役に立つか・生活の領域と呼べるほど趣味にしている人がいるかといったことを意識したいですね。

私が今欲しい、というか気になっているのは、イケダハヤトさんの『武器としての書く技術』です。なぜなら、私の「生活」の役に立つかもしれないと思ったからです。

 

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