続・電子書籍の適正価格について考える
前回の記事の続きです。
商品の価値を決めるもの
基本的に物を売る際には、価格が低いほど販売数が伸びますが、必ずしも安ければ安いほど効果的とは限らないというお話をさせていただきました。
電子書籍の価格に関しては、こちらにも興味深い記事がありました。
では、価格が高くても許される商品とは、一体どんなものでしょうか。私が幾つか思いついた特徴は、以下の通りです。
- 品質が非常に高い
- その分野の権威が携わっている
- 何らかの付加価値が存在する
- 他に替えがきかない
まず一つ目の品質に関しては、言うまでもないでしょう。回らない寿司屋の値段が高いのは、それだけコストや手間隙をかけ、品質を高めているからです。そして、その品質に納得するからこそ、人はお金を払います。
次に、その分野の権威が携わっている商品です。これは非常に「強い」価値をもっています。一つ目と重複する部分がありますが、その業界でのトップ層が作った商品という時点で、ある程度高い品質は保証されていると考えられます。
でもそれだけでなく、四つ目の「替えがきかない」という特徴も併せ持っているのです。例えば、稀代の天才と称される将棋棋士の羽生善治さんは、数々の著書を世に出してきました。彼の著書は、彼がその業界の権威であること・クオリティの高さだけが理由ではなく、彼にしか書けないから価値が高いともいえます。
三つ目の付加価値に関しては、非常に分かりやすい例が挙げられます。握手券や投票券つきのアイドルのCDがそれです。これらが山のように売れている理由は、ファンが商品自体ではなく、特典にそれだけの価値が付随していると考えているからです。このように、商品に付随する何かに魅力がある場合、購買意欲へと繋がります。
私もソシャゲのシリアルコード欲しさにフ○ミ通を買ったりしていました。
四つ目は、専門書や学術書のようなものを想像していただくと分かりやすいかもしれません。概して、こういった商品は非常に値が張ります。それは発行部数が少ないからです。そして、発行部数が少ない理由は需要が少ないからです。しかし、必要としている人は確実に存在します。
売り手は、元が取れないため価格を上げる必要があります。買い手は、他では替えがきかないため高額でも納得します。
まとめ
- 電子書籍の適正価格は100円~250円前後
- 500円以上で販売する場合、上記の特別な価値が必要
- 何に価値を見出すかは人それぞれ
もしあなたが何らかの権威であり、替えのきかないクオリティの高いコンテンツや、付加価値を持った商品を生み出すことが出来るなら、電子書籍を販売する際に高額な価格設定をしてもいいでしょう。そうでない場合、爆死するだけなので止めたほうがいいでしょう。
ちなみに、ニッチブックスはコンセプト的に四つ目です。現在進行形で爆死中ですが、他にも私達のようなチャレンジャーが現れたら面白いなと思います。
最後に
長々と高額でも許される商品の話をしてしまいましたが、やっぱり電子書籍を買うなら安く買いたいですよね。現在、5月6日までKindleストアでゴールデンウィークセールが開催されております。どうせ買うなら、この機会に安く買いましょう(台無し)